合鴨農法うまくいくコツ
1 ヒナ注文編
4 合鴨いざ投入編
5 当記事
合鴨農法 田んぼの準備について
無農薬・無化学肥料で取り組む?
合鴨農法を始めるに当たって真っ先に考えなくてはならないのが肥料・農薬に関してです。
この選択は収穫した米の販路や販促に大きく関わってきます。
私は無農薬・無化学肥料で取り組んでいます。
新しく始めるのであれば休耕田を活用するのも良いと思います。
農薬や除草剤が使われていなければ更に良いと思います。
合鴨農法で、稀に、除草剤を併用している方がいるようです。
もはや合鴨を入れる「最大の理由」は消失していますね(笑)
販売促進ツールとして「合鴨農法」を選択しているだけで、他はなんでもアリな無法地帯です。
無農薬・無化学肥料栽培こそが正義だ!とは言いません。
人それぞれやり方があります。
自分がどういう米作りをしたいかを明確に持っていれば文句はありません。
こうと決めたら信念を持ってやり続ける。
それがポリシーでありプロ意識であるはずです。
土作り・施肥
上記内容でどっちに向いて進むのかを決定したら、次は土作りです。
ストイックなところで言えば、草堆肥か落ち葉堆肥でしょう。
11月くらいから準備できるのであれば、別に堆肥化せずとも刈り敷きでも構いません。
なぜ植物質堆肥かというと、ズバリ、「対・消費者」向けです。
畜種を問わず、何らかの「良くないであろうモノ」が含まれています。
それを突っ込んでくる消費者は少なからずいらっしゃいます。
なので、あまり最初からゴリゴリにこだわってますアピールは止めといたほうが無難です。
商売っ気ムンムンのPRは、消費者から敬遠されるか、もしくは懐疑的にさせるだけです。
真の信念は人間性や人柄から自然と伝わるものです。
自分のこだわりを押し付けるよりも、その米が出来上がるまでのストーリーを熱く語ってください。
話が脱線しかかっているので元に戻します。
土作りは大切です。目的に応じた有機物を投入したいところです。
安価かつ近隣で入手でき、素性のわかるものを選択してください。
合鴨農法の土作りに使用する有機物に関してはまた別の機会にまとめます。
レンゲ草が最強!な訳
無化学肥料栽培で臨むならレンゲ草などの緑肥が最適です。
レンゲ草のキロ袋は売り切れの事が多いのでこまめにチェックして入手しておくとよいでしょう。
レンゲ草と合鴨農法の相性は抜群。
これならストーリーを紡ぐ際、さらに1カット作れちゃいます。
無化学肥料の合鴨農法で、稲の分げつ数を確保することは最重要課題です。
無肥料・疎植で多収は望めません。
しかし、レンゲ草なら初期の肥効は約束されたようなものです。分げつ数も十分に確保できます。
何らかの都合でレンゲを播種出来ない場合は、田植え時に苗取り量を増やして対応します。
もちろん、植え付け間隔は広めに設定します。
レンゲ草は9~11月蒔きで10aに2~4kgほどを播種します。
私は稲刈りが終了した時点で、即、荒起こしして、田んぼの外周を管理機で溝上げした後に播種します。
手でばら撒く場合は砂と混ぜ種皮に傷をつけ発芽しやすいようにします。
排水性の良い田んぼでは稲刈り前に播種しておく方法もあります。
この方法だと、稲刈り後の藁がレンゲ草の種に被さるようになり発芽を促します。
カキガラ有機石灰(炭酸カルシウム)で食味アップ!
水稲栽培に最適なpHは5.5~6.5程度の弱酸性です。
酸度矯正の為に石灰資材を用いることは稀でしょう。
米作りを行う際、私は必ずカキガラ有機石灰を施用します。
石灰の中でも土壌pHの上昇は穏やかであるといえます。
10aに100kgほどを施用します。
間違いなく米の甘みが増します。産直米ならば絶対使うべきです。
カキガラ有機石灰はなるべく粒子の荒いものを選択します。土壌pHが昇しにくいうえ、効果も持続します。
飼料用の粉砕カキガラは粒子の大きさが選べます。粉の混入が少なく散布の際、風に舞うこともありません。
エフデックでは粒子の大きいカキガラ有機石灰をお安く販売しております。
ふるいにかけておりませんので、粉末も入っています。
ゆっくり長く効くカキガラ有機石灰をお求めの方はお問合せください。
■20kg入り
1,500円(税込・送料別)
発送は2袋からとなります。
◎送料はコチラ
※ 牡蠣焼き小屋(焼いてその場で食べるお店)から出る牡蠣殻を利用しています。
※ 稀にビニール片などが混入している場合があります。ご了承ください。
※ 牡蠣の殻が開く程度の加熱を行ったものですので完全非加熱ではありません。
(ヤフーショッピングでは飼料用として10kg 2,300円(税込)で販売されているようです。)
ネット・ライン張り
私は田植え後に防獣ネットとカラス対策のラインを張っています。
段取り上、そうなってしまうだけで実際は田植え前のほうが断然張りやすいです。
田植え前にカラス対策のラインを張る際は、高めに設置する事が必要です。(田植え中にジャマになる為)
黒いポリエチレンのラインに銀色のラメが入ったものです。
これ最強です。
カラスにはもってこい。被害は全くありません。
合鴨農法を始めたころは、このラインを縦横無尽に張り巡らせていましたが、最近は横方向に2~3mおきで張る程度です。
ネットは普通のものを使っています。私の圃場の近辺ではイノシシが多いので破かれる事も多々あります。
ですから価格の高いネットは使用できません。(1m×50m)
約2mおきに支柱を立てて設置しています。
ゴムハンマーやカケヤを使ってしっかりと打ち込みますので下記のようなヘッドのついたものをチョイスしています。
この杭の高さとネットの高さが合わない事もあります。
杭を打ち込んだ後、このヘッド部分にネットを仮止めし、高さを調節したあと結束バンドで固定する方法をとっています。
以前はこのようなもの↓を使っていましたが、ヘッド部分を叩きすぎて壊れているものが多いです。
プラスチック製の空洞、軽くていいのですが、幾分太さがあるので支柱とネットをまとめながら回収していく際にかさばります。
50m分をいっきに回収する際は、持てなくなります。ですので、上記写真のタイプに少しずつ更新していく予定です。
ネットの固定方法は?
これ重要です!
ネット設置がうまくできていないと、必ず合鴨が脱走します。
電柵を張る方法もありますが、私はやりません。見た目的にもピンとこないし、子供たちが怖がります。
という事で、原始的ですがネットの張り方にはこだわります(笑)
ネッ下部の抑えはどうなっているかというと・・・
こんな感じです。現在、辿り着いている最良の方法です。
簡単・便利・低コストの3拍子揃ってます!
竹を切る際、節の部分が上から3~5センチになるようにします。
節の内部は窪んでいますので、それをヒッカケ部分にしてしまうという恐ろしく単純な方法です。
2mの支柱の間隔に2本ほどを打ち込んでいます。
ネットが波板際で引っ張られるようにして固定されるので、合鴨が潜り込み脱走するのを防ぎます。
しかし…。先日の大雨の際、どこからともなく脱走していました。
これまで合鴨農法を実践してきて、数多くの失敗をしてきました。
合鴨農法に興味を持っている方や、今後取り組みたいと思っている方のお役に立てれば幸いです!