水稲栽培を行う圃場のひとつに排水性が極めて悪いところがあります。

2016年の田植えは6月19日に無事終了しました。

が・・・しかし、様々な問題点が浮かび上がってきましたので来年の為にメモとして残しておきたいと思います。

同じような条件の圃場をお持ちの方は是非参考にしてみてください。

当圃場の良い点と悪い点は以下の通り。

良い点

 粘土質の為、乾燥と湿潤による土壌の膨張・収縮が大きく中干しが良く効く。

 中干しが効くので圃場に入り消毒する際、作業がしやすい。

 稲刈り時にも地面がしっかり固まっておりコンバインが汚れない。(ハマらない)

 1m以上の重粘土層(作土も深い)の為、水稲の根が深く伸張する。

 疎植で分けつ数が十分確保できる。

 水持ちが良いので除草剤が良く効く。

 ジャンボタニシが発生するので、生育中期に除草の必要が無い。

悪い点

× 稲刈り後、すぐに耕起すると、秋雨にあい裏作の畝立てができなくなる。

× というか、裏作はやらないほうが良い。(2014年・玉ねぎ失敗)(2015年キャベツ全滅)

× 集落の中でも、水の流入が一番多い場所。大雨時は田の水面と用水路の高さが同じになり排水困難。稲が浸かる。

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2017年 水稲作付の準備メモ

「田んぼについて」

1.裏作禁止

裏作を作る為には必ず耕起が必要になる。均一に耕したつもりでも、場所により凹凸ができる。それが代掻き時まで引きずり作土の深さが安定しない。乗用田植え機の乗り入れ困難。歩行型田植え機も4条植えは操作が困難になる。

2.稲刈り後の荒起こし禁止

荒起こしすると草が生える → 草が生えるとトラクターを入れたくなる → トラクターを入れると作土が深くなる → 代掻き・田植えがやりにくくなる

3.稲刈り後、有機石灰施用

牡蠣焼きの際に出た殻を荒く粉砕したものを使っています。牡蠣が開いて食べれるようになる程度しか火が入っていない為、どうしても牡蠣の身が残っていたりします。これを風化させる為に早めに施用しておきます。有機石灰施用は酸度矯正の為ではなく、単純に米の食味を向上させるために施用します。10aに100kg程度の散布量です。

「苗について」

1.大苗気味につくる

田んぼの均平がうまく取れない場合、植え付けた苗が水没し消える。上流からの排水や道路からの流れ水が集まり田んぼの水面が上昇する。ある程度までは排水が可能だが、用水路の水がいっぱいになると排水が効かなくなる。苗の消失を防ぐ為、大苗気味に作り浅植えで対応する。

2.植え付け本数を増やす

苗箱1枚につき芽だし後の種もみ250cc(180g)を播種している。10a当たり20箱を準備、ほぼ標準量だと思う。しかし、毎年かなりの苗が余る。植え付け本数の調整不足という点は否めない。田植えの日はなんだか気持ちがバタバタしていて、ゆっくり調整している心の余裕が持てないのも事実。その結果、欠株続出、大量の苗箱余り・・・。きちんと調整して補植の労力を軽減したい。(1本植えでも分けつ数は確保できるので、あくまでも補植の労力を軽減する為の「植え付け本数増」です。) もっとうまく苗作りできるようになったら「密播疎植」にも挑戦したい!10aに必要な苗箱はなんと6箱・・・。

3.植え付け間隔は広くとる

まぁこれは基本かと。化成肥料を使うとほぼ問題なく分けつする為、栽植密度を低くする。

「悪排水圃場の代掻き方法まとめ」

稲刈り後、トラクターを入れるのは最低限に抑える。できれば 1.荒起こし 2.代掻き前耕起 3.本代掻き1発 で済ませたい。トラクター乗り入れ回数を減らすことにより、田んぼの隅が高くなるのを最小限に抑えます。それによりトラクターの耕耘深さの均平をとり、田んぼの隅の少し手前が深くなるのを防ぐ。(作業機を少し上昇させろ!とかいうツッコミはイヤよ♥)それと代掻き後3日以上おいてから植え付けを行う。粘土質の為にドロドロになりやすく、田植え機通過後に苗が流れやすい。 とにかく、代掻きまで徹底的に地面を固め、浅く代掻きをしよう!ということをクドクド書いた記事でした(笑)こうしなさい!という記事ではなく、あくまで私の圃場の場合こうすればいいんじゃないか?という記事でした。あしからず。