田舎暮らしスタート!そして消防団になる。
これについてはアツく語らなくてはなりません。
なにしろ地域の安全・安心を守る仕事なのですから(真面目か!)
静かな農村に引っ越して1年程が経過した時、玄関のチャイムが鳴り、その知らせが遂に来ました。
「よかぎ、消防団に入ってくれんやろうか?」
<訳>良かったら消防団に入ってくださらない?
ついに来たか。と思いながらも私は二つ返事でOKしました。
というのも、この集落に入る時、当時の区長さんに「義務」だと念を押されていたからです。
私は大阪からUターンした後、掘っ建て小屋に住み、そしてアパートに移りました。
アパート住まいの時は、特にそういった誘いもなく、地域にも溶け込んでいませんでした。
小さな農村で、地域住民と密に関わりを持つのは人生初。
正直、消防団、面倒くさそうだな~なんて思っていました。
そして入退団式を迎えます。
同じ服を着た人たちがゾロゾロいます。何百人も。圧倒されました。
その後、半年間くらいは活動に行ったり行かなかったりで過ぎていきました。
なんとなく場の雰囲気に馴染めなかったのでしょう。
きっかけは何だったのか思い出せませんが、その後、突然 真面目に出動するようになります。
年末には「年末特別警戒」という活動があり、深夜2時まで消防機庫に待機し、計3回夜警を行います。
その際には、団員で炊き出しを行い寒さをしのぎます。
私は元料理人なので、部の中で「料理担当」という居場所をみつけました。
そこらへんから急に楽しくなり、ほとんど休むことはなくなりました。
消防団の活動は地域によっても大きく異なります。
消防団の主な活動内容
私が所属する部の主な活動内容は以下の通りです。これは一般団員の最低限の行事なので、幹部になると、その他いろいろあります。
●月に2回のポンプ点検
●1月出初式
●3月春季訓練
●4月入退団式
●春の火災予防運動
水利点検・予防査察・消火栓/ホース点検
●雨季特別警戒
●夏季訓練
●秋季訓練
●秋の火災予防運動
水利点検・予防査察・消火栓/ホース点検
●地域の運動会に消防団枠で参加
●年末特別警戒
●その他、年によって、ポンプ操法大会や小隊訓練・ラッパ吹奏大会が盛り込まれることもあります。
こうやって列記すると、相当大変そうに見えますね(笑)
実際、そんなに大したことはありません。
これに加え、有事の際にはもちろん出動します。
火災の後は3日間の夜間広報(予防消防)を行います。
就寝前に火の元を確認してもらい、火事を発生させないよう注意を喚起します。
消防団のイメージって?
みなさんが思う消防団のイメージってどんな感じなのでしょう?
少しネットで調べましたが、笑えるくらい評価は低いです。
消防団に所属、もしくは出動している人は多かれ少なかれ地域の為に時間を割いています。
自分の時間を割くという事は、仕事や勉強、趣味、恋人や家族と過ごす時間を削るという事です。
何かを犠牲にして地域の安全安心の為に働いています。
消防団活動に、もう少し理解が深まる事を望みます。
田舎暮らしを始める際、消防団所属は有利
私が所属した部の雰囲気は非常に良く、新入団員の出席率も上々です。
消防団に所属した後、楽しめるかどうかは部の雰囲気にもよります。
楽しかろうが楽しくなかろうが、一度所属したのなら責任が生じます。
よっぽどの事がない限り途中退団できません。
しかし、消防団にも定年のような制度(退団)があります。
これもまた部によって異なります。
新入団員が確保できないと退団できないとか、定員削減をして上層部から抜けていくとか。
特に田舎では若者が少ない為、勧誘しようにも人が居ないということがあります。
さて、前置きが長くなりましたが本題です。
もしあなたが20~30歳代で田舎暮らしを始めるなら、是非 消防団に入ってください!
そして、真面目に活動してみてください。田舎暮らしが面白いほどうまくいきます。
消防団には幅広い年齢層の人が所属しています。20以上、歳の離れた人もいるかもしれません。
まずは部の中でのネットワークが確立されます。これで仲間が一気に増えます。
先輩であり、仲間であり、友人でもあります。
私は、消防団のメンバーに声を掛け、牡蠣パーティーやBBQを主催しています。
毎度、なごやかにワイワイやってます。これだけでも田舎暮らしの楽しさが味わえます。
年に2回の予防査察(消防標語を書いた紙を配ってまわる)では、一軒ずつお宅を訪問します。
消火器点検も同様です。これにより、地域住民みんなと顔見知りになれます。
その後は、挨拶以上の会話を進める事が可能になります。
本当にいろんな情報が入ってきます。
農業をしたければ、農地や耕作放棄地を探すこともできます。
なにか商売をしているのなら、お客さんになってもらえる可能性もあります。
消防団 退団後は
そして消防団を勤めあげます。
退団後、自分の子供たちが小学生、中学生になっていきます。
田舎ではよくある事ですが、PTAや地域活動の多くで消防団OBが沢山います。
消防団に在籍していない、もしくは幽霊団員(在籍しているが出動しない人)だった人は肩身の狭い思いをするようです。
逆に消防団活動を真面目に行っていると、その場も楽しめるという事になります。
私はまだそこまで至っていませんが、区の話し合いや常会等では大先輩達と消防の話で盛り上がる事もあります。
年齢の差が無くなる共通点といったところでしょうか。
最後に
私は田舎暮らしを始め、消防団に入って良かったと心から思います。
いろんなメリットがあるという事もさることながら、地域の為に働く事に誇りを持っています。
田舎暮らしをスタートした時は、顔も知らなかった人達が、そのうち大切な人になっていきます。
その人の家から出火した時、何ができるのか?
消防団に所属しておらず、訓練もしていない人は、ただ見ているしかありません。
一番恥ずかしいのは、消防団に所属していながら、何もできない人です。
幽霊部員だと、こういう時に悔しい思いをしなければなりません。
そうならない為にも、日頃の訓練を怠らず、これからも精進していきたいと思います。
地域の安全・安心を守る為!